新規にWEBサイトを作る場合、新しいドメインを取得してサイトを作る方法と、既存のドメインを利用(サブドメインや新規ディレクトリ)してサイトを作る方法があります。
ドメインパワーという言葉を聞いたことのあるWEB担当者も多いと思いますが、ドメインには資産という概念があります。運用期間が長く、多くの被リンクを集めているドメインは力が強く、その既存ドメインの中で新規にサイトを立ち上げると、その恩恵が期待できるのです。では、なぜみんな既存ドメインの中で新規にサイトを作らないかというと、Googleなどの主要検索エンジンでは、検索結果に同一ドメインのページを「数ページまでしか表示しない」というような制限をされることがあるためです。
新規サイトを成功へ導くためには、こういったドメインの違いによるサイトへの影響をしっかり把握しておかなければなりません。そこで今回は、新規ドメインでサイトを作るメリット・デメリットと、既存ドメインでサイトを作るメリット・デメリットを紹介したいと思います。
既存ドメインでサイトを作るメリット
先ほどの例にもある通り、新規サイトを同一ドメイン上に作る場合の最も大きなメリットは、ドメインパワーを利用できるという点です。既存サイトと同一のテーマを扱う新規サイトであれば、特にその恩恵を強く受けることができます。また既存サイト自身も、サイトのボリュームが増えるというメリットがありますね。
その他にも、検索エンジンにインデックスされやすいというメリットもあります(デメリットで詳しく紹介しますが、インデックスされにくい場合もあります)。
既存ドメインでサイトを作るデメリット
Googleで「エビ レシピ」と検索すると、様々なレシピサイトのページが検索結果上に並ぶと思いますが、エビのレシピをより多く取り扱っているクックパッドや楽天レシピのページが2、3ページしか表示されていないのはなぜでしょうか? それは、検索結果に同一ドメインのページを「数ページまでしか表示しない」という制限があるためです。Googleは検索結果の多様性を重要視しています。そのため、どんなに他のサイトに勝る優良なコンテンツを数多く持っていても、数ページしか検索結果上には表れないのです。
また、もう1つのデメリットとして、メリットでも紹介したように、新規サイトのページがインデックスされにくくなるという例もあります。それは、クロールバジェットが少ない大規模サイトで起きます。
ここでは、クロールバジェットについて詳しく触れませんが、Googleは世界中のWEBサイトを毎日、新しいページはないか、更新されたページはないかと巡回しています。その巡回の効率を上げるため、また無駄なコストをかけないために、1つ1つのドメインに対して、どれくらいの頻度で、どれくらいの時間をかけて、どれくらいのページをクローリングするかを定めています(これがクロールバジェットです)。Googleに大規模サイトのわりにあまり有益なコンテンツが無いサイトだと判断されると、このクロールバジェット小さくなり、あまりサイトの隅々までクローリングされないという現象が起きてしまうのです。
その他のデメリットとして、サーバー環境を変更できないという点もあります。
新規ドメインでサイトを作るメリット
既存ドメインのデメリットの最後で少しふれたように、既存ドメインを利用してサイトを作成すると、どうしても同一のサーバー環境でサイトを作ることになります。PHPのバージョンが5.6までしかなかったり、データベースの作成数に制限があったりで、思うようなサイトが作れない場合もありますが、新規ドメインではそのような制限はありません。
また、新規ドメインの場合、既存のドメインとは違ってユーザーに覚えてもらいやすいドメイン名を設定しやすいというメリットや、複数のサイトを運営している場合、新規ドメインと既存ドメインでリンクを貼ることで、外部対策の1つにもなるというメリットがあります。
新規ドメインでサイトを作るデメリット
新規ドメインでサイトを立ち上げると、ページがインデックスされるまでに時間がかかる傾向にあります。またサイトを立ち上げて間もないうちは、サイトに対する評価が確定せず、検索結果が定まらなかったり、また順位が他のサイトに比べて低い傾向にあります(3から12か月運用すると、ドメイン年齢が2年以上のサイトと同じように扱われるような感じがします。※肌感覚ですが)。
既存・新規ドメインのメリットとデメリットのまとめ
これらメリット・デメリットをしっかり理解してサイトの立ち上げれば、サイトの成功へ1歩近づくはずです。