この記事は前回の記事の続きとなります。前回は「いつどこで、そのページに訪問し、どれくらいの時間閲覧していたのかという解析データが、1ページの情報量を決めるうえで参考になる」というお話をさせていただきました。例えば、通勤や通学の時間帯に閲覧されることが多く、ページの滞在時間が2分程度であるのであれば、文字情報は1000文字前後が適しているかもしれないというような具合です(人が1分間の処理できる文字数は500文字前後であるため)。
今回は少し視点を変えて、人の注意力・集中力という側面から、1ページの情報量に関して考えてみましょう。
人の集中力・注意力の限界は10分
WEB担当者の皆様も、これまでにいくつものセミナーや勉強会に参加してきていると思いますが、人の集中力・注意力の限界が10分だと聞いて、どう思われるでしょうか? 自分はもっときちんと聞いていると思われるかもしれませんが、あるデータによると、セミナーの冒頭10分の記憶項目数が9/10だったのに対して、10~20分は6/10、20~30分は3/10と、だんだんと覚えていられた項目が減ってきているのです。
途中で休憩を挟むことによって集中力・注意力は復活しますが、やはりそれも10分を限界に徐々に低下していきます。日本の小学校の学力レベルが世界的に高いといられる理由に休み時間が長い点があげられていますが、これはこの集中力の復活に関係しているからだと言えるでしょう。(アメリカで小学校時代を過ごした友人に、アメリカの小学校では授業の構造上、日本のような休み時間は無いと聞いたことがあります)
WEBサイトの1ページの情報量もこの10分間に着目して考えると、5000文字程度の情報量が限界だと言えるでしょう。またこの集中力が途切れるタイミング(どこかほかのページに移動したいと潜在的に思い始めるタイミングといってもいいかもしれません)で、関連記事レコメンドなどで別ページへの案内を用意することで、集中力を切らさずにサイト内を移動してもらえる可能性が高くなります。
この10分という集中力が続く時間は、テキストコンテンツだけでなく、映像コンテンツでも同じです。ただし、この10分も「コンテンツそのものが魅力的」ということが前提にあります。プレゼンが下手な人の話は3分でも聞いていられないのと同じように、コンテンツが魅力的でなければ、3分すら読んでくれないのです。